オンライン授業導入!配信方法の違いや、必要なツールとは?
オンライン授業とは
オンライン授業とは、インターネットを介して行う授業のことです。リアルな場所に集まらなくても授業が行える方法として注目されています。
以前は、遠隔地で学習するには紙の教材を郵送する通信教育が一般的でした。しかし、それではビジュアルな授業による深い理解は難しいうえ、質疑応答やグループワークなどを用いた学習も困難です。
一方、オンライン授業であれば、映像を介して講義を受講するため、動画や音声などを利用した高度な学習が可能です。また、一度受けた授業を後から見直すこともできます。
こうした特徴に着眼し、オンライン授業は海外の有名教育機関によって導入が進められてきました。今では日本の企業研修や教育現場でも利用され、一般的な学習方法の1つとして認識されつつあります。
オンライン授業の種類
オンライン授業は主に以下の3種類に分類されます。
・「オンデマンド型」
・「ブレンド型」や「ハイフレックス型」
それぞれの特徴を見ていきましょう。
リアルタイムで授業を配信する「同時配信型」
同時配信型では、講師が授業を行うのと同時に受講生がそれを受けます。インターネットを介した画面越しの授業であること以外は、リアルな場で行う講義とほとんど変わりません。
リアルタイムに配信されているため、受講生はその場で質問できます。また、グループディスカッションのようなコミュニケーションを伴う授業も可能です。
ただし、開催日時が決まっている以上、スケジュールの調節が必要になります。後述するオンデマンド型の授業と異なり、受講生がいつでも好きなタイミングで学習するわけにはいきません。
録画済みの授業を配信する「オンデマンド型」
オンデマンドとは、要求に応じてコンテンツを配信する形式を言います。つまり、オンデマンド型オンライン授業とは、インターネット上で学習コンテンツを公開し、受講生が好きなタイミングでそれを利用できるようにすることです。
配布されるコンテンツは事前に録画された授業映像です。そのため、早送りや一時停止などを使え、受講生はその映像を教材として活用できます。
しかし、あくまで録画されたものが配信されているだけであるため、講師と受講生、あるいは受講生同士のコミュニケーションは生まれません。質問やグループワークなどは、教材配信とは別の形で対応する必要があります。
その他:「ブレンド型」や「ハイフレックス型」など
基本的には上述した2種類に大別されますが、他にもブレンド型やハイフレックス型と呼ばれる形態があります。
・ブレンド型
その名のとおり、複数の形態を組み合わせて用いる方法です。普段はオンデマンド型で授業を行いながら、知識を深めるためのグループワークのみを対面で行うといった例が該当します。
・ハイフレックス型
ハイフレックスとは「Hybrid-Flexible」の略で、1つの授業を複数の形態で利用できるようにする形態です。
たとえば、基本的には講義室で受講生を集めて講義を行いつつ、それを同時にインターネット上で配信してリアルタイム型のオンライン授業にもする例が該当します。講師はオンラインとオフラインの生徒両方に気を配らなければならないため大変ですが、受講生にとっては柔軟で学習しやすい形態と言えます。
オンライン授業を導入するメリット
オンライン授業を開催するとどのようなメリットが得られるのでしょうか。
学生の通学時間を削減できる
通学時間は基本的に時間の浪費です。やむを得ませんが、移動中はできることが制限されます。電車の中では本を読むことくらいしか学習方法がなく、自転車や徒歩で通学する場合はさらに勉強が困難です。1分1秒が結果に影響することを考えると、少しでも移動時間を削減すべきと言えます。
一方、オンライン授業ならば通学時間はまったくかかりません。時間的な損失がないばかりか、移動に伴う体力の消費も抑えられ勉強に専念できます。
教育格差の解消を期待できる
子供が少ない地域では、充分な学習環境が整っていないことがあります。学校自体が少ないうえ、学習塾のような意欲ある子供たちを迎え入れる場所も多くはありません。こうした環境による教育格差が、子供たちの将来に大きな影響を及ぼしうるのは、非常に残念なことと言えます。
しかし、オンライン授業であれば地域による教育格差を縮小できます。たとえば、学校同士で合同授業を行えば、生徒数が少ない学校であっても活発なディスカッションやグループワークが可能になるでしょう。また、受験を目的とした勉強でも、オンライン授業で生徒が自分に適した講師や授業を見つけられれば、成長を加速できます。
運営費を削減できる
一般的にオフライン授業を行うには多くの費用が発生します。机や椅子を筆頭に、黒板・ホワイトボード、空調、交通費などすべてを考慮すると大きな金額になるでしょう。
一方、オンライン授業は上記の費用がほとんど発生しません。代わりにパソコンとインターネット環境が必要になりますが、オフライン授業の費用と比べるとはるかに安いでしょう。そのほか、eラーニングシステムなどのITツールに費用がかかることもありますが、YouTubeを始めとした無料の動画配信プラットフォームも利用できます。
災害や感染症が発生しても運営を続けられる
災害や感染症の発生により、従来の授業が続けられなくなることがあります。たとえば、近年流行している新型コロナウイルスにより、対面型の授業は難しくなりました。また、地震や津波によって校舎が使えなくなるなど、大規模自然災害によって運営できなくなることもあります。
このような事態が起きても、オンライン授業であれば継続できます。物理的に対面せずに済み、校舎を必要としないからです。パソコンとインターネット環境さえ整備できれば、どこにいても運営できます。
オンライン授業のデメリット
オンライン授業にあるのはメリットばかりではありません。次は代表的なデメリットを2つ紹介します。
通信トラブルの可能性がある
オンライン授業はどうしてもインターネット環境の影響を受けます。回線の速度や電波の強度などにより、適切な授業を配信できない可能性があるのです。
現在、日本のほとんどの場所ではインターネットを利用できますが、地域によっては速度が遅いことがあります。特に、リアルタイム型のオンライン授業をする場合は、配信側と受信側でタイムラグが生じ、コミュニケーションが困難になりかねません。
また、端末の問題も無視できません。パソコンやスマートフォン、タブレットなどの性能が低い場合、容量の大きいデータの処理が困難なことがあります。生徒が充分に学習できるよう、最低限の備品を揃えられるようにすることも大切です。
テストで不正行為が発生するリスクがある
オンライン授業では、生徒の状況を正確に把握できません。たとえば、ログインされているからといって本当に生徒が授業を受けているかは分かりません。また、受講しているのが本人なのかを確認するのも、顔認証などの仕組みを用いない限り難しいでしょう。
この問題が特に顕著に現れるのがテストのときです。画面外にカンニングペーパーを用意していても、講師側からは分かりません。アメリカではテストもオンライン授業形式で行われることがありますが、不正のリスクが高いため不向きという声が多数上がっています。したがって、多くの教育機関ではテストのみリアルな教室で行われています。
オンライン授業の活用シーン
オンライン授業はどのようなシーンで活用できるのでしょうか。
小学校や中学校などの義務教育学校
教育のICT化は国を挙げて推進されている施策です。結果として、タブレットを生徒に与えてオンライン授業を行っている学校も珍しくなくなりました。
もともと2010年代に進められた施策ですが、新型コロナウイルスの影響によってその流れに拍車がかかっています。また、現在は新たな施策としてGIGAスクール構想が掲げられ、教育のさらなるICT化が図られています。義務教育現場におけるオンライン授業の重要性は今後もますます高まっていくでしょう。
大学などの高等教育機関
大学におけるオンライン授業は一般的になっています。パソコンの必携化や教材の電子書籍化など、大学によって取り組みはさまざまですが、着実にオンライン化は進んでいます。
特にオンライン授業が効果を発揮するのは、キャンパスが離れている場合です。
1つの大学でも複数のキャンパスがあり、授業によっては講師あるいは学生が異なるキャンパスに足を運ばなければならないことがあります。しかし、オンライン授業であれば、異なるキャンパスにいる講師の授業を遠隔地から受講できるのです。講師・学生の負担が減るのはもちろん、新型コロナウイルスの感染予防にもつながり、大きなメリットをもたらします。
塾や予備校などの教育ビジネス
塾や予備校、通信講座といった受験産業界は、ビジネスである以上どうすれば顧客を惹きつけられるか常に試行錯誤しなければなりません。これまでにも、独自の過去問分析や講師による迫力ある授業によって、多くの生徒と保護者を惹きつけてきました。
その施策の一環として、オンライン授業の重要性も増しています。通学時間の削減や、オンラインならではの手軽さを魅力として、多くの塾や予備校で導入されてきました。利用形態はさまざまで、マンツーマン授業を主軸にした使い方もあれば、映像授業を配信し生徒が好きな時に視聴するスタイルもあります。
オンライン授業の導入を可能にするツール
オンラインでの学習支援にはITツールが必要です。以下の3つのツールならスムーズな学習支援が実現します。
ウェビナーツール
ウェビナーとは、オンライン上で行うセミナーのことを言います。授業とセミナーでは共通点も多いため、ウェビナーツールはオンライン授業にも使えるのです。
具体的には以下の機能が活躍します。
・チャットやアンケートで双方向のコミュニケーションが可能
ウェビナーツールにはチャットやアンケートなど、意思疎通を促す機能が備わっています。質疑応答やアンケートによる進捗の確認などが可能です。
・顔出しなしで活発な議論を促進
ウェビナーツールでは顔を見せないように設定できます。大勢の参加者が集まる講義などでも、顔を隠せていれば活発な議論を促進できるでしょう。
インターネット上で実施するセミナーのことをウェビナーと言います。そして、そのウェビナーを行うためのツールがウェビナーツールです。
ウェビナーツールを活用して学習支援を行っている事例
ウェビナーツールを活用して学習支援を行っている事例を2つ紹介します。
株式会社ライブロード様は、全国の学習塾を対象に映像授業やネット教材を提供する企業様です。
システムを導入いただいている既存の校舎様やユーザー様対象に、商品やその活用方法の解説をするウェビナーや、新規のクライアント様向けに商品説明や導入に際しての支援説明ウェビナーを実施されています。ウェビナーツールにコクリポを導入する決め手は、優れた操作性と充実したアンケート機能だったと言います。
またお客様に参加いただくまでのハードルをできるだけ低くしたかったので、アプリをダウンロードしていただくのではなく、ワンクリックだけで入場できるものを探している中で、誰でも使いやすく、双方向のコミュニケーションを取れるため、学習の場での利用に適しています。
またウェビナーならではのメリットとして開催コストが95%カットできたことで、開催回数を増やすことができた点と伺いました。費用が抑えられたことにより、ウェビナーを新たに企画したところ、今までリーチできていなかった方にご参加いただくことができ、そのウェビナーからのシステム成約率が30%という実績が出ています。
120件以上の学習塾や英会話教室の先生に参加いただけて大盛況に終わりました。気軽に参加できるウェビナーxコクリポのコストパフォーマンスの相乗効果によって、この成功があったのではないかと伺いました。
一方、一般財団法人大蔵財務協会様は、税理士・公認会計士など職業会計人の方に向けて講義提供をされています。
新型コロナウイルスの影響を受け、これをオンライン化しようと試み、コクリポを導入しました。サポートが充実している中で、安価で、ITツールに不慣れでも使いやすいのが決め手になったと言います。
実際ウェビナーを開催するにあたって、コクリポが開催している機能概要ウェビナーを参考にして、冒頭に「音は聞こえますか?」という案内や見えない・音が途切れた際などの対応方法を載せた動画を流しています。
配信機材に関しても、コクリポがお薦めしている機材を参考にし活用されています。全くの初心者だったので、どれをどう揃えるかも分からなかったところ、運営に役立つ情報を得ることができ、大変参考になったと言います。
eラーニングシステム
eラーニングシステムとは、オンライン上で教材を管理・配布するシステムのことです。ウェビナーツールとグループウェアが授業や指導のためのものであるのに対し、eラーニングシステムは教材を配布することに重きを置いたツールです。
システムを使ってオンライン上で教材を配布すれば、学習者は好きなタイミングでその教材にアクセスできます。動画や音声などで構築された教材を使用し、学習者は自学自習を行います。そして、管理者は学習者の学習進捗状況を把握・管理する機能を利用可能です。
大勢が集まって勉強をするのではなく、あくまで独学を支援するものであるため、自分のペースで学べるのが魅力です。学習者によって履修する科目が異なる場合など、個人最適化された学習環境が求められる場合に適しています。
まとめ
オンライン授業を導入して、学びの場を増やそう!
国による施策や新型コロナウイルスによる追い風を受けて、多くの教育機関がオンライン授業を導入しています。通学時間の削減や運営コストの削減など、さまざまなメリットが浮き彫りになってきました。
IT技術の進歩とともに、今後もますますオンライン授業の重要性は高まっていくと考えられます。この機会に本格的な導入を検討してはいかがでしょうか。
(オンライン授業の種類)
オンライン授業は主に以下の3種類に分類されます。
・「同時配信型」
・「オンデマンド型」
・「ブレンド型」や「ハイフレックス型」
(オンライン授業を導入するメリット)
・学生の通学時間を削減できる
・教育格差の解消を期待できる
・運営費を削減できる
・災害や感染症が発生しても運営を続けられる
(オンライン授業のデメリット)
・通信トラブルの可能性がある
・テストで不正行為が発生するリスクがある
(オンライン授業の活用シーン)
・小学校や中学校などの義務教育学校
・大学などの高等教育機関
・塾や予備校などの教育ビジネス
(オンライン授業の導入を可能にするツール)
・ウェビナーツール
・eラーニングシステム