オンラインセミナー(ウェビナー)のメリット・デメリットを解説
・オンラインセミナー(ウェビナー)とは
・オンラインセミナーとリアルセミナーの比較
・オンラインセミナーのメリット
・オンラインセミナーのデメリット
・オンラインセミナーで失敗しないためのポイント
・まとめ
オンラインセミナー(ウェビナー)とは
オンラインセミナー(ウェビナー)とはどのようなものなのでしょうか。
インターネットを通して開催するセミナーのこと
オンラインセミナーは、その名のとおりオンライン上で開催するセミナーのことです。従来、セミナーと言えばオフラインにおいて会場を用意し、そこへ人を集めて行うものでした。
しかし、多くの人がスマートフォンやパソコンを持っている今、必ずしも地理的に集まる必要はありません。インターネット上でコンテンツを配信し、視聴者を集めることでもセミナーは成立します。
このような「ウェブ上のセミナー」という形態から、オンラインセミナーはウェビナーと呼ばれるようになりました。
新しい集客方法として注目を集めている
従来のセミナーと違い、地理的な移動を伴わないのは集客する側・参加する側の双方にとって大きなメリットです。そのため、IT業界を中心として以前からオンラインセミナーは利用されていました。
さらに、今ではさまざまな業界でも導入が進んでいます。新型コロナウイルスの影響により、物理的な接触を伴わないコミュニケーションのニーズが急激に高まったためです。旧来のオフラインにおけるセミナーでは集客できなくなり、多くの企業はオンラインセミナーへの切り替えを余儀なくされています。
オンラインセミナーとリアルセミナーの比較
オンラインセミナーと、オフラインにおけるリアルセミナーの違いを比較してみましょう。
【オンラインセミナー】 【リアルセミナー】
会場のコスト ツール利用料金 人件費、会場のレンタル費用など
受付 不要 必要
参加人数 ツール次第 会場次第
集客範囲 無制限 地理的な制約あり
参加者データ収集 ツール上で完結 手作業
コミュニケーション チャットなど 対面での質問など
オンラインセミナーのメリット
続いて、オンラインセミナーのメリットを紹介します。
場所を問わずに集客できる
従来のセミナーでは、どうしても地理的な制約が生じていました。どれほど交通の便が良い場所で開催しても、遠ければ参加するハードルが高くなります。
遠方にいる顧客にもアプローチするには、さまざまな場所で開催するしかありません。しかし、これには交通費や人件費を始めとした多くのコストがかかります。
一方、オンラインセミナーであればこうした問題は発生しません。オンライン上でアクセスすれば良いだけであるため、インターネット環境さえあれば参加できます。今やほとんどの人がスマートフォンやパソコンを所有していることを考えると、参加に伴うハードルは非常に低いと言って良いでしょう。
結果として、リアルセミナーよりも集客範囲を拡大できます。日本全国はもちろん、海外も集客範囲に含まれます。一度に多くの人にアプローチできるため、利益につながる可能性も高くなるでしょう。
運営コストを削減できる
リアルセミナーの運営にはさまざまな費用がかかります。
まず、会場のレンタル料を用意しなければなりません。集客に適した都心であれば、ほんの十数人を収容できる会議室を1時間借りるだけでも数千円のコストが生じます。さらに、スタッフの人件費や会場の設営費、交通費なども発生します。
一度の負担はそれほど大きくなくても、回数を重ねると侮れない金額になりかねません。結果としてセミナーを開催する回数を抑えなければならず、集客の機会を逃すことになります。
一方、オンラインセミナーであればこうした費用の多くを削減可能です。ツールの使用料金は発生しますが、オフラインで会場を借りるより安く、無料のケースもあります。交通費や設営費は発生せず、少ない人手で済む分人件費も少なく済みます。
準備や片付けの時間を短縮できる
リアルセミナーは準備や片付けに多くの手間がかかります。代表的な作業は以下のとおりです。
・会場の選定
・予約
・資料の印刷
・会場への移動
・参加者の受付
・片付け
・懇親会などのイベント手配
これらはリアルセミナーに必要な作業ではありますが、直接価値を生む業務ではありません。できる限り削減し、収益に直結する作業へ注力した方が望ましいと言えます。
その点、オンラインセミナーでは上記の作業がほとんど発生しません。コンテンツの作成や顧客の分析など、より重要な業務へ多くのリソースを割けるようになります。
オンラインセミナーのデメリット
オンラインセミナーにはデメリットもあります。代表的なデメリットを3つ見ていきましょう。
参加者のリアルな反応を読み取りづらい
リアルセミナーでは参加者の反応をダイレクトに把握できます。目の前に参加者がいるため、その雰囲気や表情などから、話に興味を持ってくれているのかどうかを判断可能です。
ところが、オンラインセミナーではそうはいきません。講師は画面に向かって話すだけで、参加者の顔を見られません。参加者のカメラをオンにして顔が見えるようにすることも可能ですが、リアルな対面ほど明確に表情や雰囲気を感じ取るのは困難です。
ただし、オンラインセミナーのツールにはこのデメリットを解消できるチャットやアンケート機能が搭載されています。セミナーの最中に参加者に質問を投げかけて挙手機能で反応してもらったり、チャットで質問をしてもらったりできます。上手に使えば双方向のコミュニケーションが成立し、オンラインセミナーでも参加者の反応を充分に把握できるでしょう。
途中の離脱率が高くなりやすい
オンラインセミナーはリアルセミナーと比べ、離脱率が高くなります。退出ボタンを押すだけで簡単に離脱できるからです。また、最初からそれほど集中する気持ちはなく、何か別の作業をしながら音声だけ聴く人もいます。そのため、ちょっとしたきっかけで離脱する可能性が高くなるのです。
しかし、これは参加のハードルが低いことの裏返しでもあります。すぐに離脱してしまう参加者は、リアルセミナーでは最初から参加していない可能性が高いです。むしろ、オンラインセミナーならあまり意欲・関心の高くない顧客を途中まででも引き留めることができるのだと、前向きに解釈しましょう。
通信環境や機器のトラブルも起こりうる
オンラインに特有の問題として、通信環境や通信機器のトラブルがあります。事前に録画した映像を配信するオンデマンド型のオンラインセミナーなら良いですが、リアルタイムなライブ配信では致命的な問題になりかねません。使用する機器やシステムに問題がないか、リハーサルなどを行って入念に確認しましょう。
ただし、発信者側で完璧な環境を整えても、参加者の環境によって遅延や停滞などのトラブルが生じることもあります。これは発信者側ではどうすることもできません。
現実的な対策としては、開催前に推奨環境を参加者に伝えたり、ライブ配信を後で見直せるようオンデマンド型も用意したりする方法があります。完全には避けられない問題がある前提でオンラインセミナーを実施しましょう。
オンラインセミナーで失敗しないためのポイント
昨今の社会的な流れを受け、初めてオンラインセミナーを実施しようという企業も多いでしょう。では、失敗しないためにはどのようなポイントに留意すれば良いのでしょうか。
準備の段取りを押さえる
オンラインセミナーには、リアルセミナーと違った準備が必要になります。以下のステップで準備を整えましょう。
1.目的の決定
これはリアルセミナーでも必要なプロセスですが、集客範囲が広いオンラインセミナーではより重要になります。ターゲットの属性や訴求内容を明確化しましょう。
2.スケジュールの決定と人員・機器の準備
開催日時を決め、担当スタッフ・オンラインセミナーで使うカメラやマイクを用意しましょう。
3.集客
紹介ページの作成や、メール・SNSなどを活用した告知を行いましょう。
4.資料作成
テキストや動画、音声などを用意します。特に動画・音声は、品質(見やすさ・聞き取りやすさ)や容量に注意しましょう。
5.環境整備
ネットワークやシステムなど、問題のない開催環境を整備しましょう。
6.リハーサル
環境に問題がないことを確認すると共に、オンライン上でのやり取りやコンテンツ配信に習熟しましょう。
オンラインに適した集客を行う
どれほどオンラインセミナーの参加ハードルが低いと言っても、まず顧客に興味を持ってもらわなければ参加者が増えることはありません。以下のような施策を施し、集客しましょう。
・招待メールの配信
・ソーシャルメディアでの告知
・Web広告
・検索エンジン経由
・ターゲット企業の問い合わせフォームなどへ連絡
・営業による個別のアプローチ
・折込チラシ
・ダイレクトメール
特にオンラインセミナーの集客方法として適しているのが、招待メールの配信です。ターゲットに直接アプローチできるうえ、リンクを掲載しておくだけでセミナー詳細ページへ招待できます。
まとめ
オンラインセミナーのメリット・デメリットを理解しよう
オンラインセミナーのメリット・デメリットは以下のとおりです。
【メリット】
・場所の制約を受けない
・運営コストが安い
・準備や片付けの負担が少ない
【デメリット】
・参加者のリアルな反応を読み取りにくい
・離脱率が高い
・通信環境や機器のトラブルが生じる
失敗しないためには以下の点に留意しましょう。
・適切な段取りで準備する
・オンラインに適した集客を行う
以上を踏まえ、オンラインセミナーを成功へ導きましょう。