【2022年版】オンラインセミナー(ウェビナー)の配信ツール比較
オンラインセミナー(ウェビナー)配信ツールとは
Web上で行うセミナーを、オンラインセミナーあるいはウェビナーと呼びます。そして、オンラインセミナー配信ツールとは、その名のとおりオンラインセミナーを行うためのITツールです。主催者側が映像を配信し、視聴者がそれを見る形で受講します。
一口にオンラインセミナーと言っても、その形式は録画配信とリアルタイム配信の2種類に大別されます。録画配信は、事前に講義の映像を録画し、それをWeb上で公開する形式です。一方、リアルタイム配信はライブ形式で、双方向のコミュニケーションを取りながらセミナーを展開できます。
オンラインセミナー配信ツールの国内シェア・規模
オンラインセミナー配信ツールは、近年急激に普及しつつあります。株式会社アイ・ティ・アールの調査によると、Web会議市場の売上金額は2018年度で91億円、2019年度で111億円となっています。
働き方改革に伴うテレワークへのニーズや、新型コロナウイルスによる影響が市場規模の拡大を招きました。また、オンラインセミナーを始めとした、不特定多数へのコンテンツ配信にシステムを利用する例も増えてきていると言います。
また、同社は今後の売上金額予測も発表しています。
・2020年:197億円
・2021年:267億円
・2022年:306億円
・2023年:337億円
・2024年:364億円
コロナ禍の収束に伴うニーズの低下に備え、オンラインセミナーの配信ツール市場から撤退するベンダーも存在します。しかし、現在の急成長において、そうした成長阻害要因の影響は大きくないと同社は分析し、成長が続くと予測しています。
オンラインセミナーの配信ツール一覧比較
続いて、オンラインセミナーの配信ツールを紹介します。
コクリポ
株式会社コクリポが提供。2,400件以上の企業導入、5000名以上のアカウント実績を誇ります。Web会議システムではなく、オンラインセミナーに特化した配信ツールです。
特化している分、必要な機能が絞り込まれており、シンプルで快適な操作性を実現しています。主催者側にとって簡単なのはもちろん、参加者にとっても操作の負担が少ない洗練されたツールです。
さらに、国産ツールならではの魅力として、セキュリティ対策や、専門スタッフによる手厚いサポートが提供されています。料金プランもウェビナー開催条件によって選ぶことができ、多くのお客様に喜ばれているポイントです。
Zoomビデオウェビナー
Zoomビデオコミュニケーションズが提供。ミーティングツールであるZoomと同様、高品質な通信を特長とします。オーディオ機能やビデオ機能により、主催者と参加者がコミュニケーションを取りながらオンラインセミナーを展開できます。また、Salesforceを始めとしたさまざまなツールと連携し、マーケティングオートメーションを加速できるのも魅力です。
ネクプロ
株式会社ネクプロが提供。オンラインセミナーを開催するだけでなく、それをマーケティング活動に活かす機能が特長の製品です。
具体的には、獲得したリードの管理やランディングページ作成、視聴履歴やアンケートの分析、キャンペーンマネジメントなどの機能を備えています。また、リアルセミナーをWeb上で同時中継するためのサポートも提供されています。
V-CUBE セミナー
株式会社ブイキューブが提供する配信サービス。講師と配信スタッフが直接会うことなくオンラインセミナーを実施できるのが特徴の製品です。
配信スタッフは同社のスタジオで作業に従事し、講師はそれとは別の場所でツールを通じて映像を配信します。専門スタッフによるサポートを受けながらオンラインセミナーを開催できるため、ノウハウがなくても問題ありません。
LiveOn
ジャパンメディアシステム株式会社が提供。2015年~2017年には稼働率100%を誇るなど、安定性が魅力のWeb会議システムです。CDに近い32KHzの高音質で快適なWeb会議を支援します。
また、ログインから入室までわずか2クリックなど、操作が簡単なのも魅力です。ただし、Web会議システムであり、オンラインセミナーに特化しているわけではありません。
Jストリーム
株式会社Jストリームが提供。2,000アカウント以上もの導入実績を誇ります。マルチデバイス対応や視聴者の制限、動画視聴分析などオンラインセミナー配信ツールとして求められる機能を一とおり揃えています。
ライブ配信と同時に録画も可能です。また、同社のライブ配信サービスでは、ライブの仕様決定から、撮影・現場対応・インターネット配信までワンストップで支援を受けられます。
Adobe Connect
アドビ株式会社が提供。主にeラーニングとWeb会議、オンラインセミナーの3つを対象とした動画配信ツールです。ブラウザから視聴できるほか、クラウドストレージにデータを保存して共有することもできます。また、チャットやホワイトボードなど、受講者と主催者が双方向のコミュニケーションを取るための機能も豊富です。
FreshVoice Webinar
エイネット株式会社が提供。最新技術「WebRTC」による高い画質が特徴のウェビナーツールです。ベンダーによる自社開発であるため、カスタマイズにも柔軟に対応できます。
また、挙手機能を始めとした双方向のコミュニケーションを支援する特徴も備わっています。ウェビナーツールとしてだけでなく、社内のWeb会議などにも利用可能です。
GigaCast
ロゴスウェア株式会社が提供。ビジネスでの運用に耐える本格的な性能と、快適な操作性が魅力の製品です。文字や映像が鮮明に表示されるのはもちろん、スライドに対するリアルタイムな書き込みやアンケート機能により、リアルセミナーと比べても遜色のないウェビナーが実現します。
また、Webセミナー運営支援サービスが有料オプションで提供され、ITに詳しくなくても使えるようサポートを受けられます。
Skype
マイクロソフト社が提供。画面共有やチャット機能など、オンラインセミナー配信ツールとして利用できる機能が備わっています。スマートフォンやタブレットにも対応し、無料でも利用可能です。
ただし、本来は電話用のツールであり、オンラインセミナー配信ツールではないため、本格的なウェビナーに用いるにはやや不向きと言えます。
Google Meet
Google社が提供。クリアな映像や音声、字幕機能などで快適なやり取りを実現します。 250人までを招待可能で、高度なセキュリティ機能により安全性の高いオンラインセミナーを開催できます。
また、同社が提供する多種多様なグループウェアと連携するのも特徴です。こちらもWeb会議システムであり、オンラインセミナーに特化した配信ツールではありません。
wellcast
合同会社 selfreeが提供。オンライン商談とウェビナーに特化した配信ツールです。URLを作成して共有するだけなど、操作がシンプルで分かりやすいのが魅力です。配信したオンラインセミナーは録画し、分析に役立てられます。
また、Salesforceやkintone、slackなどのツールと連携し、参加者情報を反映させられるのも特徴です。
Facebook Live
Facebook社が提供。配信日時の告知やコメント管理など、ライブ配信に特化した機能を持ちます。特にコメント管理では、ディスカッション向けに一定字数以上のコメントだけを許可したり、フォロワーにのみコメントを許可したりと、詳細な設定が可能です。また、スマートフォンからも配信できます。
オンラインセミナー配信ツールの活用事例
最後に、オンラインセミナー配信ツールを使いビジネスを成長させている事例を紹介します。
オンラインアシスタントを提供するある企業は、新規リード獲得のためにオンラインセミナー配信ツールを活用しています。従来HPの問い合わせフォームで集客していましたが、軽く興味がある程度の見込み客を集めるのは難しかったと言います。
一方、オンラインセミナーならそうした見込み客へもアプローチ可能。同社は問題提起から事例紹介までを丁寧に行って参加者の興味を惹き、商談化率40~50%を達成したと言います。
オンラインマーケットを運営するある企業は、オンラインセミナーを実施し、その集客効率の良さを実感していると言います。リアルと比較し、参加者が約1.5倍になったそうです。
ただし、最初は参加者の反応が見えない点に苦戦。質疑応答の時間を設けるなど、参加者への対応に工夫を凝らしている最中だと言います。
まとめ
ツールを使って効果的なウェビナーを開催しよう
オンラインセミナーはリアルセミナーと比較し、集客効率に優れていると言われています。市場規模も拡大の一途を辿り、今後ますますビジネスにおける重要性は高まっていくでしょう。
最初はオンラインセミナーならではの特徴に苦戦するかもしれませんが、だからこそ早いうちに習熟することで他社をリードできます。この機会に導入を検討してはいかがでしょう。